馬と鹿と野と郎の日記

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

アメリカの中間選挙ということで、アメリカ合衆国議会の上院・下院について簡単に解説。

 発展途上国では一院制が多いが、先進国では二院制が多く採られている。(・・・と、教科書風に書いてあるんだが、もはや発展途上国と言えない韓国なども、一院制。)
 アメリカの下院は、各州から人口に比例して選出される。(ちなみに、下院が人口比例という点では、日本も同じで、細かい違いはあっても下院は人口比例ばかり)。上院は各州から2名ずつ、均等に選出される。これによって上院は、「合衆国を構成する各州を平等に尊重していますよ」という政治をやる。
 中間選挙で、下院は民主党が優勢になり、上院は共和党過半数を維持した。日本でも、第一次安倍政権~麻生政権の時に経験した、ねじれ国会をアメリカが迎えることになった。

 日本では「下院の優越」という原則のもと定められた、「衆院議員3分の2の賛成による再可決」(憲法第59条の規定)という手段を自民・公明与党が連発したが、アメリカ議会にそんなものはなく、法律の制定について両院対等である。
 アメリカ合衆国は、もともとイギリスの植民地支配に反発して独立した経緯から、権力の集中を極端に警戒する政治体制をとった。よって、上院と下院のねじれ国会も、日本よりはるかに起こりやすい。(アメリカ政治については、松本保美編「理解しやすい政治・経済」(文英堂の参考書)、29~30ページ、飯尾淳「日本の統治構造」、144~147ページなどを参照。)
 だから、たとえ上院と下院で第一党の違うねじれ国会になり、「決められない政治」に陥っても、それは建国当初の権力分散という理念に沿っているとすらいえる。