そうだ、本多勝一「日本語の作文技術」だけじゃなくて、もっと文章の勉強をしよう、と思って、古本屋にダッシュして大野晋「日本語練習帳」を買った。
タイトルから受ける印象通り、これは文章技術の入門書。(中には三木清「人生論ノート」のように、柔らかくてユニークなタイトルとは裏腹に、難しい本もあるけれど…。)1999年の本であり、そのころは乙武洋匡「五体不満足」と並んでベストセラーになっていた。
たぶん、日本語論とか文章技術の世界では常識的な事が記されているが、練習問題が豊富に載っていて実践的だし、きつい志賀直哉批判など、なかなか刺激的な箇所もある。個人的には、「親分、ポリの野郎が来やがりましたぜ」という、全然一般的ではない俗な言葉遣いからも日本語の特徴を解説できるところが、すごいと思った。