馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

高プロ制度は、関係ないだって?

 高度プロフェッショナル制度については、「俺は年収1000万円以下だから、関係ないよ」なんて言ってるのんきな人も目立つが、「働き方改革」の発端を思い出してみよう。

 電通社員・高橋まつりさんの過労自殺のように、相次ぐ過労死・過労自殺に、多くの労働者が我が事として心を痛めた。二度と繰り返さないために、長時間労働の規制を進めよう…、というところに、高プロがぶち込まれた。
 高橋まつりさんの年収がどれくらいだったかは知らないが、大手企業・電通の社員なのだから、少なくとも生活には困っていなかったはずだ。しかし自身の境遇に絶望するツイート群を残して、自殺してしまった。彼女が年収1000万円以上だったら、したたかに労働者の権利を守れたというのだろうか?
 「俺には関係ないよ」とか「何が問題なのかわからない」というスットボケ論法を使えば、そりゃなんでも安倍政権の問題はなくなる。議論の原点を忘却すれば、な。