馬と鹿と野と郎の日記

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

右翼とリフレ派というのは、アベノミクスを過大評価する気楽な商売ときたもんだ。

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 頑固な安倍政権支持者というのは、私も散文的に考えていたことなのだけど、紙屋研究所では具体的に聞いた話も交えて、もっと体系だって書かれている。身近な情報収集能力が高いと、記事の完成度や説得力が違うなぁ、やっぱり。

 現在の世界経済は、「適温経済」といわれている。景気が良いのだが、それでインフレが過熱することもなく、「適温」というわけだ。
 そしてそれに対し、「失業率改善はアベノミクスのおかげ」とはしゃいでいるリフレ派よりも、適温経済である理由が「わからない」といっているエコノミストの方が、私にはよっぽど正直に見える。
 高橋洋一「日本経済のウソ」によれば、「インフレ率が上がれば、失業率が下がる(改善する)」らしい。「インフレが起きたら、庶民の生活が苦しくなる」というアベノミクス批判に対し、「失業率が下がるから、意図的にインフレを起こすのだ」というのが、リフレ派の主張だったはずだ。
 それが、インフレが思うように進んでいないのに、日本の失業率は下がった。もちろん、常識的に言って、インフレの有無にかかわらず失業率が下がることもあるだろう。だったら安倍政権は最初から、「失業率を下げます」とだけマニフェストに書いておけばよかったのだ。「生活が苦しくなる」という、「無用な誤解」もなかっただろう。
 インフレしていないのに失業率が下がる「適温経済」は、どうも素直に安倍政権の功績と受け取れない。右翼とリフレ派というのは、それを功績として過大評価し、あとは「何が問題なのかわからない」といっておけば済まされる、楽な商売である。
 安倍政権が、生活保護を引き下げた。この因果関係は明白だ。安倍政権が、失業率を下げた。この因果関係は、はっきり言ってよくわからない。あやふやな功績を持ち上げるより、因果関係の明白な悪を追及して“何が悪い”?

 もちろん、インフレ目標をめぐる混乱においては、朝日・毎日等のリベラル系メディアも、上等なものではない。当初のアベノミクス批判は、「インフレで庶民の生活が苦しくなる」とか、「国債が暴落する」とか、はたまた「ハイパーインフレが起きる」だったのに、日銀が思うように物価上昇率2%を達成できないとなり、今では「インフレ目標を達成できていない」という批判一色になった。
 これでは、そもそもインフレ目標に「生活が苦しくなるんじゃ?」と懐疑的だったり否定的な人にとっては、インフレが起こらないので「いいこと」になってしまう。今更「インフレが達成できていない」などと言い出しても、あまり意味がない。
 リベラル系の支離滅裂なアベノミクス批判には、リフレ派は大いに助けられているだろう。リベラル系も、相手の急所を突くことを覚えないと・・・。

  前に私は、リベラル系野党は魅力的な政策で対抗軸を示すべきだ、といった。それは今も変わらない。モリカケの追求だけでは、野党の支持にはつながらないだろう。しかし、一部のネットヤンキーが言うように、「野党はモリカケの追求ばっかりで、生産的なことをしていない」というのは大間違いである。
 生活保護の引き下げや、高プロ制度など、頼まれもしないのに与党・安倍政権が次々と悪法を通そうとするために、それに反対しているだけでも、リベラル系野党はそれなりの対抗軸を示しているといえる。
 もちろんこれらの悪法は、法案を通そうとした与党が第一に悪い。「野党の怠慢“も”悪い」とか、「野党の力不足“も”」とか言っているアホは、同等にならない罪を並べて、勝手に野党アンチの思想信条を満足させている。どうせこういう奴らは、アメリカ人に「原爆投下は悪いかもしれないが、真珠湾でだまし討ちされたんだ」(アメリカでよくある論法)といわれたら、顔を真っ赤にして怒るだろう。
 こういうのは市民の生活ではなく、野党アンチが宇宙の中心になっているオカルトであり、きくまこ先生が典型だが、リフレ派とかそんなものではなく、もうただ単にカルト右翼と言うしかない。

 

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