引用。
「ファノンが指摘していることだが、少し前まで精神科医たちは学会で、原住民の犯罪性に頭を悩ませていた。この連中は殺し合いをする、と彼らは言うのだった。これは正常なことではない。アルジェリア人の大脳皮質は発達が遅れているに違いない。中央アフリカでは他の精神科医が「アフリカ人はほとんど前頭葉を使っていない」ことを明らかにしている。今日これらの学者がヨーロッパで、特にフランス人について調査を行ったならば面白かろうに、なぜならば、われわれも数年来、前頭葉の機能低下に見舞われているに相違ないからである」
(ジャン=ポール・サルトルの序文。「地に呪われたる者」30ページ)