ついこの前、「現在入手できる本では~」と書いたが、今アマゾンを一通り見たら、731部隊についての基本書が、ほとんど品切れになっていた。
数少なく残っていたのは、講談社現代新書の常石敬一「七三一部隊」だったが、これは問題がある。
著者は731部隊の研究で有名な人らしいが、肝心かなめの人体実験や細菌戦の具体的証拠は、自身の先行研究と本の紹介でさらっと済ませて、水で薄めたような退屈な情報が延々と続く。この本を読んだだけでは、「事実だったんだ」と確信が持てないだろう。
・・・出版業界の現状はお寒い限り。一部の有名な古典以外は、次から次へと絶版になってしまい、新しく出る本は、歴史関係でいえばどうでもいい右翼の本ばかり。