馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

トランプ大統領が時計の針を戻したことで、またリーマン・ショック級の世界不況が…!?

 欧米で恐ろしいほど、新型肺炎コロナウイルスの感染が広がっている。アメリカでは西海岸から全米各地に広がり、ニューヨーク州で非常事態宣言が出された。日本は封じ込めに成功するかもしれないが、欧米は怪しい情勢。リーマン・ショック級の世界不況が懸念される。
 リーマン・ショックの時も、日本は投機マネーによる金融バブルとは直接関係なかったのに、外需・輸出が壊滅して、巻き添えで不景気になってしまった。
 アベノミクスの柱として、円安誘導して輸出を回復させるというのがあったので、日本の経済構造は海外に依存している。おととし末の米中関税摩擦でも、株価が急落した。そして今日、日経平均が2万円を割った。

 
 リーマン・ショック後は、あまりにも無責任だったマネーゲームと、大銀行への反発が世論で高まったこともあり、オバマ政権が若干の金融規制を進めた。
 ところが、景気回復のためなりふり構わないトランプ大統領は、それらの規制をすべて外し、元通りにしてしまった。これではまたリーマン・ショックのようなマネーゲームと、バブル崩壊が起こるだけではないか。
 イランとの核合意破棄や、オバマケアの破棄主張など、ことごとく「オバマ嫌い」を発揮してきたトランプ大統領だが、金融規制がまた緩んだことについては、世論の注意も緩んでいたようである。
 しかも、新型コロナウイルスによるイベント中止や、自粛ムードで、実体経済も確実に弱っているので、日本と世界経済が、リーマン・ショックの時以上に悪化する可能性もある。