馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

今週の「ジョジョ奇妙な冒険 黄金の風」 90年代の多重人格ブーム

 「ボスは多重人格」という答えに到達するが、結局敗れてしまったリゾット。
 第5部は90年代末に連載されていたが、多重人格を描いたノンフィクション「24人のビリー・ミリガン」が日本でもベストセラーになった影響で、創作界ではちょっとした多重人格ブームがあった時代。(実際、原作ジョジョの終盤では、某キャラが「24人のビリー・ミリガン」に言及して解説している)他のジャンプ漫画でいうと、「幽遊白書」の仙水とか。
 ただし、単に流行の題材を使うだけでなく、「電話」と認識したもので別人格と会話するドッピオなど、ジョジョらしい「奇妙な」演出にあふれている。
 当時ジャンプ本誌でも見ていたが、ドッピオが「とぉ~~るるる」と言い出した時、「はたから見たらやばいけど、本人はいたってマジ!」というアオリ文に笑い転げた記憶がある。編集もノリノリだった。