馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

ノモンハンと修正論

 8月の戦争ドキュメンタリー番組。他ではこれを見ようと思う。

NHKスペシャル | ノモンハン 責任なき戦い

 ノモンハン事件(または事変)というのは、日本・満州国軍とソ連・モンゴル連合軍、それぞれの死傷者数がほとんど同じだったというデータから、「日本は負けてない」という擁護論や修正論も盛ん。
 しかしその種の修正論は、局地的な武力衝突を本格的な「戦争」に拡大させた張本人・辻政信が、戦後いち早く主張したことだった(詳しくは小林英夫「ノモンハン事件」の181~185ページ)。機械的に数字を見ただけの評価では、無能な参謀の責任を覆い隠してしまう。
 ノモンハンは、この時代にちょっとでも詳しい人にはおなじみの題材だが、去年のNスペ「インパール作戦」もツイッターで盛り上がったし、初めて知る人は勤め先の無能上司と重ねてご覧ください。