馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

政治が静止する日


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 アレを「大げさ」でかわそうなんてしたら、もう朝鮮半島で戦争が始まるくらいしか大事はないね。そして何十年もの間、それほどの大事も起こらなかったので、政治家は普段いらないことになる。

 真面目に言いなおすと、セクシャルマイノリティーとかに関心の低い人は、杉田水脈議員発言も何もかも、割とどうでもいいのだろう。しかし「すべての人が緊急に取り組むべき」と思うような政治課題は、大抵とっくに取り組まれているもので、普段残っている課題というのはこういうこと。

 長谷部恭男「憲法と平和を問い直す」に引かれている、ロバート・ダール「民主主義理論の基礎」の「民主政治は瑣末事にのみかかわる」という観点(40ページ)は、示唆に富む。(ちなみに長谷部氏は、国会に呼ばれて集団的自衛権を「違憲だ」という見解を示した。)
 ぜひとも決めるべき問題はすでに決められ、まだ意見対立が深刻なので先送りされる問題と決定があるというとき、民主政治は個々人の人生を彩る恋愛、仕事、趣味に比べてはるかにどうでもいいものだろう。また、本当に必要なとき以外は、そうである方が望ましいという考え方もある。

 私はそう思っていないが・・・。