先日のNHK「英雄たちの選択」では、楠木正成をやっていた。「英雄」という縛りではネタ不足なのか、「この人、英雄っていうの?」という回もあるし、しかもそっちの方が新鮮な角度から歴史を知れたりする番組なのだが、楠木正成と言ったら、英雄の中の英雄じゃないですか。
明治から戦前までの復古的歴史観、特に皇国史観では、逆臣扱いされた足利尊氏に対し、最後まで後醍醐天皇への忠義を貫いたとして、たたえられていた正成。しかし現在では、南北朝時代の人気が低いせいか、どうにも影の薄い偉人になっている。
母なんか、「知らない。名前だけは聞いたような気がする」という知識で、大楠公も落ちるとこまで落ちたものだ。しかし近年、「応仁の乱」がベストセラーになり、同じ中公新書の「観応の擾乱」まで売れているというではないか。いよいよ南北朝・室町時代ブームが来ているのかもしれない。
(教科書的な知識だが、室町時代とか室町幕府という呼称は、三代将軍・足利義満が京の室町に本拠を構えたことに由来する。そして、ちょうど義満の時代に、南朝(吉野朝)が北朝に吸収されて、南北の分裂状態が終わった。そうなると、鎌倉時代のあとを室町時代というより、「南北朝・室町時代」と書いた方が適切に思える。)
吾輩は南北朝・室町時代ビギナーであるが、後醍醐天皇をテーマに、何度失敗しても負けが込んでも、再起を図り続ける不屈の精神をやってほしいところ。光明天皇に渡した三種の神器を、あとになって「あれは偽物だった」と言い出すありさまとか、「こいつ天皇のくせに面白すぎるだろ」とツボにはまっている。
あー、けど天皇だからこそ、テレビ番組で面白く取り上げるのはタブーなんかな・・・。後白河法皇とうとう、歴史上の変人天皇を正面から描いた大河ドラマ「平清盛」も、「NHKは反日」とかよくわからんイチャモンがついていたようだ。
YO! YO! 天皇制、日本の伝統。天皇家、その歴史神聖。南北朝、日本史の例外。DENTO! DENTO! けど、元号を新天皇即位と同時に発表するのは、やめといたほうがええ。