馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

野党が情けないからといって、「ロシア・中国化する日本」でいいのか?

mainichi.jp

 今朝の毎日新聞では、「この1年を振り返る」というテーマで、識者たちが座談会。前原氏が拙速に希望の党への合流を決めたことが厳しく批判されつつ、立憲民主党についても、「枝野代表の個人商店のようで、はたして展望がどこまであるか」という不安げな見方だった。
 立憲民主は、半年前にできたばかりの党なので、まだ地方組織も整備されていない。(民進党は死に体になっているが)地方に民進保有している議席が、これからリベラルな野党にすべて入れ替わっていくとは限らない。
 民進党は、総選挙の後も、せっかく育てた地方組織をつぶすのはもったいないということで、党の存続が決まった。だったら最初から、党を解散させるような希望への合流をしなけりゃよかったのに。前原前代表も、両院総会で可決させた民進党議員も、この程度の後先考えられない人たちだったのか。
 先ごろ連合の元会長が出した回想録によると、連合は希望への合流に反対し、せめて民進の党籍を残して出馬するように要請したらしい。しかし前原氏は、聞く耳を持たなかった。あきれたワンマンぶりだったが、それは小池百合子氏にもある程度言える。
 「排除」発言で人気を落とした、ということがしきりに敗因として語られたが、民進との慎重な方針すり合わせがなかったから、ああいううかつな発言が出たといえる。もともと小池氏ワンマン体制がもろかったのだ。
 代表制民主主義は「「最善」ではなく、「より小さな悪」の選択である」といわれることもある(常に自分の考えと一致する候補がいるわけではない)。確かに今の野党は、安倍政権より「小さな悪」として頑張ってもらわないといけない。
 「安倍自民党の代わりがいない」という人がいる。本当に政権与党の代わりがいない国となったら、それはロシアや中国のような、名ばかりの複数政党制で、実質一党独裁の国だろう。「ロシア・中国化する日本」でいいのか?