馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

この道は、いつか来た道。

 毎日のように情報が塗り替わる森友。ついつい、俺、政治史の歴史的瞬間に今いるんだ、という高揚感に包まれる。体壊さないようにせんと。
 「マスコミと野党は、いつまでモリカケをやっているんだ」という人もいるけど、ウォーターゲート事件も、発覚からニクソン大統領の辞任まで2年以上かかっているんだよね。モリカケだって2年くらいやってもいいでしょ。

 野党は、内閣総辞職を視野に入れて厳しく追及しているが、安倍政権をつぶすことが自己目的化してはいけない。野党の政権青写真、政策に魅力がなければ票は集まらないし、民主党政権時代の二の舞になってしまう。
 安倍政権が安定した支持率を維持している(していた)背景には、好景気や低い失業率があるので、野党は特に雇用の維持と、労働者の待遇底上げを、確固たるメッセージで示さなければならない。

内閣支持急落39%=不支持5カ月ぶり逆転-森友文書改ざんが打撃・時事世論調査:時事ドットコム

 そして、安倍内閣の支持率急落。これからさらに動くでしょう。
 あるツイートは、右翼が太平洋戦争のような撤退戦をしている、といったが、私は冷戦時代の共産主義者を思い出すね。アメリカとソ連が直接戦争をしていない中で、どっちの国がよりよいのか、正しいのか、左右両陣営の「解釈合戦」が続いた。
 左翼はソ連の核保有に対しても、「いやいやアメリカがすでに持っているし、対抗上必要なんだ」とかなんとか、それなりの理屈をつけて、「ソ連はよい国なんだ」という解釈は保っていた。が、長期的に見れば共産主義支持者は減っていったし、ソ連は結局崩壊した。
 一つ一つの報道を否定的に「解釈」すれば、「安倍政権悪くない」ということになるが、世論はもっと振れ幅を持っている。すると、レーニンやルカーチが生んだ悪しき前衛理論のように、「やっぱりバカな民衆には、素晴らしい主義思想がわからないんだな。もうお前らは俺に従え」とカルト化していきそう。いや、もうしているか。