「下町ボブスレー」の失敗は、政府とかマスコミが盛り上げようとしたプロジェクトが、いかに哀れなのか示している。この調子では、オリンピックもどうなることやら。
民意が望んでいるわけではないリニア新幹線とか、安倍総理は頼まれもしないのに大型公共事業をやりたがるが、「日本のものづくりはすごい」といううぬぼれがあるからこそ、そうなるわけか。
そして生活保護引き下げの動きにみられるように、日本の福祉は「すごくない」ので、財務省様その他の提案でますます削られるという地獄のサイクル。
実名でやっているので、この話は差しさわりがあるかもしれないが、弟Aが現在勤めている某大手企業は、役員幹部の送り迎えに公用車が使われている。公用車などというのがすでに時代遅れだが、車をそろそろ買い替えようというとき、ある役員が「ほしい」というので、1000万円以上する高級車がポンっと購入されたらしい。
役員幹部はみな高齢で、高度成長やバブルのころの羽振りがいい感覚が抜けてないようだ。まぁそれだけならまだいい。会社の金なんだから。
しかし一方で、40代くらいの現場人事を切り盛りしている中堅管理職は、バブル崩壊以降の氷河期世代の感覚なので、正規雇用を抑えて、人事の経費削減に熱心だという。人材こそ余裕をもって金をかけた方が、あとで会社の財産になるのではないか? 少なくとも公用車よりはね。もう方針がばらばらで、経営がちぐはぐなことになっている。
今の日本政府も、財務省などが福祉を削れ削れいってる一方で、森喜朗元首相のような、えらくなりきって誰も止めることができない人物は、スポーツ事業に税金を浪費している。
もともと森喜朗氏は文教族議員で、「教育にはじゃんじゃん金をかけたらいい」という政治家だった。しかし国会議員を引退してから、スポーツ部門にだけ権力が限定されて、「教育予算が切り詰められる一方で、オリンピックで放漫財政」というちぐはぐなことになってしまった。
こんな日本に誰がした。