馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

amazonの無料サンプルで面白いやつ

 キンドル用の端末は値が張るけど、パソコンやスマホで読むだけなら、無料アプリがある。

 割安で、読めるまでのタイム・ラグがない電子書籍を調べていたら、アマゾンから無料サンプルをダウンロードできることに気づいた。(ネット強者からすれば、今さらだろうな。俺はデジタル音痴だから)
 無料といっても、目次と「はじめに」くらいしか読めないが、それでも本によっては使えるサービス。
 まず中公クラシックス。翻訳と解説がよいことで定評のある「世界の名著」を底本に、安い価格でリニューアルしたシリーズ。解説が文庫のように巻末ではなく、巻頭に置かれている。たいてい名著の本文は、古めかしい文体でハードルが高いので、解説から読むのがいい。そして無料サンプルが序文を収録しているということは、だいたい中公クラシックスの解説も読めるはず。
 次におすすめなのが、セルバンテスドン・キホーテ」。頭のおかしくなった男が、風車を怪物だと思って挑むエピソードは有名だね。岩波文庫で前編・後編合わせて全6巻という長さ(「戦争と平和」や「レ・ミゼラブル」より長い!)なので、読みだすのは覚悟がいる。が、読んだことのある弟Aによれば、「序文が一番面白かった」そうだ。確かに面白いんだ、これが。

 どんな序文を書こうか悩んでいる作者セルバンテスのもとに、友人がやってきて…、という出だし。あとは実際にどうぞ。

 

ドン・キホーテ〈前篇1〉 (岩波文庫)

ドン・キホーテ〈前篇1〉 (岩波文庫)