(リンク先でテレビアニメと連動したリバイバル連載もやってます。)
イエタ村のエピソードは、インターミッション的でストーリー上の必然性がないけれど、結構好きだ。アニメではカットされたが、「いっぺんにぜんぶ見ちゃったらつまんないもの」「ハズレでもいいの」というククリの独白が好き。今になってみると、前に引用した、「赤毛のアン」も連想する。
これが魔物に世界を脅かされていて、苦しむ民衆が切々と描かれている作品ならば、なにチンタラやってんだ、と思ってしまうところだが、グルグルの牧歌的な世界観ならば、本質的なことが浮かび上がっている。
つまり、世のため人のため「魔王を倒す」という目標に突き進むことではなく、今やっている「旅」「冒険」が楽しいんだ、ということ。
(それだけに、最後のギリとの戦いは、作者がいろいろ考えた挙句どシンプルなラスボスに落ち着いたんだろうな・・・、という試行錯誤を感じる。)
ファンタジープラスコメディーというだけなら、当時からいろいろあったが、それらに比べて今再アニメ化されるほど「グルグル」が残る作品になったのは、この「世界に対するいとおしさ」のような目線ではなかろうか。
「赤毛のアン」関連