犬沼トラノオ日記

「・・・ところで、ご存じですかね、アルジェリアの総督の鼻の下には、瘤があるのを?」(ゴーゴリ「狂人日記」)

曲がり角の先に

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 「いま曲がり角にきたのよ。曲がり角をまがったさきになにがあるのかは、わからないの。でも、きっといちばんよいものにちがいないと思うの。それにはまた、それのすてきによいところがあると思うわ」

 ――「赤毛のアン」名言集から。

 今日のツイッタートレンドは、「ヴォイニッチ手稿がついに解読された」という話題で持ちきりだ。もともと、オカルトマニアや神秘好きなオタクには有名なヴォイニッチ手稿だったらしいが、私はその方面に疎くて、知ったのも最近のことだった。

 ちょうど去年の9月10日、こう書いている。

http://twilog.org/inunohibi/date-160910

 「これはすごい」「絵は下手なのに、見てるとだんだん怖くなってくる。ホラーゲームのような、作り手が意図的に人を怖がらせるものとは違う。そこに得体のしれぬ怖さ。久しぶりにマジモンのまがまがしいオーラを感じるわ。」

 正体は、単に当時の医学(というほどでもない健康法)や薬草学を寄せ集めた本だった、という。こんなコメントしちゃってて、は、恥ずかしー。

 よく考えれば、「解読されてない文章と、不気味な挿絵だからすごいものに違いない」というのこそ、素人目の先入観だった。動画で紹介されていた手稿に対するもろもろの説も、「実験観察のメモ」だったり、はたまた「単なるねつ造」「単なるでたらめな文字列」だったり、誰も「すごい内容だ」とは言ってない。

 オカルト好きや、創作物の世界だけで、「そこに書かれていることは・・・」と虚像が膨らんでいた感あり。私たちの中にある、「まだわからないものは、きっと良いものに違いない」という「赤毛のアンの好奇心」が、ヴォイニッチ手稿を魅力的にさせていた。

 アンはこうも言っている。

「これから発見することがたくさんあるってすてきだと思わない? もし、何もかも知っていることばかりだったら、半分もおもしろくないわ」

https://matome.naver.jp/odai/2141074236721027901