馬と鹿と野と郎

「世人は欺かれることを欲す」(ペトロニウス)

ライプニッツの記述が、見分けるポイントらしい。

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 植村恒一郎氏による、野田又夫「西洋哲学史 ルネサンスから現代まで」の書評。
 「評者は学部生時代に、多くの哲学史を読み比べたが、その際にライプニッツをどう記述しているかに着目したことがある。というのも、デカルトやカントと違って、ライプニッツはその全体像が分かりにくいからである」
 確かにライプニッツはわかりにくい。適当な本の適当な概略では、思想的な独自性が全く分からないし、ライプニッツ本人の著作は多くて、どれをどれくらいまで読めばいいのか見当がつかない。「デカルトだったら、とりあえず「方法序説」と「省察」を読め」というような、入門の見取り図がつかめない。
 ライプニッツがよく書けていれば、それはいい哲学史の本だ、というのは、さすが本職の哲学者らしい説得力ある意見だ。